211:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 00:41:39.37 ID:GrYSg2Iro
「うぬは、儂の眷属じゃ。この、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセ
ロラオリオン・ハートアンダーブレードの眷属じゃ。うぬが負けるわけなどない。うぬが
勝てぬ相手などいない。うぬが諦めることはない。」
キスショットは、強い口調で続ける。
「うぬが自信をもてぬというのなら、儂を信じよ。儂は、儂自身の吸血鬼としての力を信じ
ておる。うぬを見定めたこの眼を信じておる。じゃから、うぬも信じろ。眷属として、従僕として、
主を信じろ」
「…………」
他者への信頼、ではない。
絶対の自信。
五百年生きた伝説の吸血鬼の、確固たる自己。
なるほど。たしかにアドバイスなんて必要ない。ぼくが悩む必要はない。
これは、キスショットの戦いなのだ。ぼくは、ただそれを為すだけの力。道具。
文字通りの、手足。
そう思うと、ほんの少しだけど、気楽になった。
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