キスショット「これも、また、戯言か」
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187:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:56:46.30 ID:ntvrM9VEo

「ある時払いの催促なし、保証人も担保も金利もなし。死後遺族に請求はいかないのでしたよね?」

「いやそこまでは言ってないのだけれど、まあ、それでいいか――まいどあり〜なんつって」

 忍野は的外れなくらい気楽そうな調子で言った。

「ぼくも今日から、ここで寝泊まりすることにするから。よろしくね。というか、もともと僕は、この町に来

て以来、この場所には目をつけていたんだよね。義を見てせざるは勇無きなりと、ハートアンダーブレ

ードに譲ったけれど、やっぱこの町にここ以上の廃墟はなかったや。とりあえず、どうする? 明日か

らの前途に対して気合を入れるために、円陣でも組んでみよっか」

 寝転がったまま、最高に気合のない姿勢でそんなことを言う忍野。勿論、ぼくもキスショットも、そんな

言葉に乗っかったりはしなかった。

 時刻はまたも零時を過ぎ、日付は三月二十九日へと変わっている。

 明日といえば――既に今日は明日なのであった。


鉄血編――了。


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