キスショット「これも、また、戯言か」
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12:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 02:00:46.36 ID:I+fdqcufo

002

 三月二十五日。土曜日。

 ぼくは彼の自転車で、これから通うこととなるであろう私立直江津高等学校へと来てい

た。彼の自転車は生意気にもママチャリとマウンテンバイクの二台があり、どうせなら、

アメリカで散々自慢していたマウンテンバイクに乗ってやろうかとも思ったのだが、しか

し、彼のその並々ならぬ愛情を鑑みるに傷の一つでもつけようものならば、ぼくはたちま

ち呪い殺されてしまうだろうという結論に達し、ぼくは仕方なくママチャリを使用し学校

へと来ていた。それほどつらい道程ではなかったはずなのだが、日本に帰ってきてから鍛

錬を怠っていた所為か、ぼくは体力を相当量使ってしまっていた。

「あれからそろそろ三ヶ月か……」

 あっという間に過ぎ去っていってしまった気がするが、それが長い期間であったことは、

体が覚えているらしい。いや、忘れてしまっているのか。ともかく、ぼくの体力は全盛期

とは比べ物にならないほどに落ちていた。

 そういや、道場にも行ってなかったな。ぼくは、今度火憐ちゃんが行っているという道

場でも見学して見ようかななどと思いながら自転車を反転させて家の方へと向けた。


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