野原しんのすけ(15)「歯を食いしばれサイジャク、オラのサイキョウはちょっと響くゾ」
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◆aMcAOX32KD1b
[saga]
2016/06/04(土) 21:40:07.79 ID:SbOZMyGA0
ドバァン!!!
豪腕メジャーリーガーの投じた100マイルボールがキャッチャーミットにおさまった時の音を、
数十倍にしたかのような轟音をあげて、削板の拳と、しんのすけの臀部中央がぶち当たった。
「うわ、あんなのバラエティー番組のケツバットやタイキックの比じゃないだろ。こりゃあ第七位の逆転勝ちか?」
海賊ラジオDJの言葉を、しかしヘソ出しカチュ−シャは否定する。
「いや、アレをよく見ろ!!」
「なっ!?嘘だろオイ!?」
しんのすけと削板の両者は、互いの最高の技をぶつけ合ったままの姿勢で動かずにいた。
削板は拳を前にし、しんのすけはその拳の先で空中に浮いているかのように。
「あれも第八位の能力か!?」
「そうだ、ただし超能力なんかじゃなく、純粋な身体能力だけど」
「なに?どういうことだヘソ出しカチュ−シャ!?」
「解説しよう、先程一見ぶつかり合った様に見えた互いの一撃だが、野原しんのすけは削板軍覇の拳をくらってはいない」
「あん?ならどうなったんだ?」
「受け止めたのよ、まるで真剣白刃取りの様にね」
「は!?じゃあ今第八位は拳を挟んだ尻で全体重を支えているってことかよ!?」
「その通り、削板軍覇の右手は今、常人ならば拳が砕けるほどの力で締め上げられているはずよ」
「マジかよ……」
「そしてこうなった以上、勝負はもうプライド……意地の問題ね」
しんのすけは腰を少しでもひねれば削板の手首をへし折れるだろう。しかしそれは自身の大臀筋が、削板の拳を砕けないと認めるに等しい。
削板は腕を振りしんのすけを地に叩きつける等の追撃も可能だろう。しかしそれは己の拳の、相手の大臀筋に対する敗北を認めるに等しい。
故に、両者は動かない。いや、動けない。
「……ぐっ」
そして……遂に決着の時が訪れた。
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「俺の負けだ……お前の勝ちだ、野原!!」
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