野原しんのすけ(15)「歯を食いしばれサイジャク、オラのサイキョウはちょっと響くゾ」
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◆aMcAOX32KD1b
[saga]
2017/11/02(木) 23:58:46.22 ID:O2huPPdQ0
その背に七色の爆煙を上げながら削板が名乗る。
それを受け垣根が舌をうった。
ブービー
「チッ……で、その『第七位』が俺達二位と四位になんの用だってんだ?」
「おう、頭の中に声がとどいてな。助けにきたんだ……で、ヘルメット。俺は翼の生えた男を殴って倒せば良いのか?」
削ぎ板に訊かれ、端末から食蜂の声が答える。
「脚の太いオバサンもセットでお願い!!」
「髪の長い女とか他に言い方あんだろ!?」
自身のコンプレックスである脚について言われた麦野が反射的に吠えた。
「なるほど……そっちの二人を倒せば良いんだな」
一瞬いきなり叫んだ麦野に目を丸くしながらも、何事もなかったようにそれをスルーして削板は二人に向き直る。
そんな彼の態度に、呆れたようにも忌々しそうにも見える様子で垣根は言った。
「おいおい、今の話聞いてたか?もう一度言うが俺達は第二位と第四位、第七位であるお前より格上の超能力者だ。それに――」
「みなまで言うな」
垣根の言葉を遮り、削板が言う。
「もしかしたらそっちの電撃使い嬢ちゃん達の方が悪いのかもしれない、何も事情を知らない俺が、助けを求められたからって嬢ちゃん達に肩入れすんのは間違っていることかもしれない。それでもだ……『助けて』と言われて助けねえ根性無しにはなりたくねえんだよ、俺は」
削板の言葉はまだ続く。
「それにな……」
息を大きく吸い込み、ひときわ強く彼は言った。
「相手が各上だからって理由で退くほど、俺の根性はヤワじゃねえんだよ!!」
削板の真っ直ぐに垣根をとらえる眼差しに、垣根も先程までの呆れた様子は消え、彼も正面から削板を見据える。
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