モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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95: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:29:33.66 ID:glNSs2qCo

 先ほどまで身に着けていた傷ついた服は結晶に覆われる。
 纏った戦闘用のコートはうねりを上げて、変質し再構成される。

 その姿は結晶によって煌めく、おおよそ戦闘とは無縁のようなドレス。雪の結晶のような白い清廉さと、底無しの夜空のような藍の色調。
 そして星のように散りばめられた結晶によってできた装飾は神秘的な輝きを放つ。

 夜空に輝くような小さな輝きを放つその姿は、されど手が届く眩しすぎない優しい光。
 人と寄り添い、人と歩調を合わせるためにあつらえたその衣装はアーニャの『願い』を体現していた。

「感覚は、掴みました。

次で……終わりましょう」

 先ほどまでのような素霊への中途半端な指揮ではない。
 この天聖術『スターリィ・フェアリーテイル』の能力はウロボロスの能力とほぼ同一である素霊の使役である。
 天聖気を『願い』によって編み上げて、その天聖気を媒介に意思を素霊へと伝達、素霊を蘇生して結晶として組み上げているのだ。
 力の量でこそウロボロスのように無尽蔵ではないが、その衣装は霊体に近いために素霊への同調率が高く、それにおいてはこちらの方が上であった。

 そして何より、この衣装そのものが天聖気を『願い』によって編み上げたアーニャ自身である。
 これを傷つけられれば残り天聖気残量の少ないアーニャ自身も危険であったが、『封印』であり『願い』でもあるこの衣装による一撃を食らえば、『アナスタシア』にとっても無事では済まない。
 一撃でも食らえば、『封印』はウロボロスを封じ込め、『願い』は『アナスタシア』を侵食するだろう。

「ワタ、シは……ワタシは、間違ってなんか、いない。

ワタシは、ワタシが欲したものは、誰だって持っているのものでしょう?

それをワタシも……欲して何が悪い!ワタシも……願うことの何が悪いの!?」

 『アナスタシア』の周囲は結晶が広がっていき、凍土よりも人の存在を拒絶する。
 地面からは氷柱が立ち、周囲には何本もの杭が発生している。
 その場所だけ切り立った氷山のような、人を近づけさせないような鋭い冷気を周囲に無差別に放っていた。



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