モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆lhyaSqoHV6
[sagasage]
2018/11/08(木) 06:46:16.09 ID:LkNOvbtJ0
むつみ「ところで、どうやってアストラルクォーツの場所を調べているんですか?」
アストラルクォーツまでの最後の道のりを進むなかで、むつみはふと思いついた疑問をぶつける。
迷路という表現では生易しい、迷宮のようなネオトーキョーの地下空間を、迷うことなく進んできたためだった。
クォーツ『アクティベート──活性化した状態のアストラルクォーツは、特徴的なエネルギーを放出していてな』
クォーツ『それを検出し、辿っているのだ』
クォーツ『前にも見ただろうが、不活性状態のアストラルクォーツはただの透明な石で、活性化したものは輝く性質がある』
むつみ「なるほど……」
原理は分からないが、とにかくそういうものなのだろう──と、むつみは納得する。
クォーツ『ほら、見えたぞ……あれだ』
クォーツの言葉通り、むつみの視界の先には、宙に浮く輝く水晶体──アストラルクォーツがあった。
むつみ「やっとたどり着きましたね……」
ため息交じりにむつみが呟く。
アストラルクォーツの元にたどり着くまで、ネオトーキョーに上陸してからおよそ2時間が経過していた。
クォーツ『何はともあれ、これで目的達成だ、情報を回収して引き上げよう』
以前自宅で見た時の様に──あるいは先ほどの黒装束の端末の時の様に、アストラルクォーツから光が飛び出し、むつみの首物にあるペンダント状になったクォーツへと吸い込まれた。
するとその直後、むつみは足元が「ぐにゃり」と、変形したような錯覚に陥った。
思わずバランスを崩し倒れこんでしまう。
むつみ「えっ!? 何が起こってるんですか!?」
混乱を来たしたむつみはクォーツに問いかける。
クォーツ『どうしたことだ……突然周囲の空間値が……異常値だぞこれは!!』
何が起こっているのかは分からないが、その様子からするとどうやらクォーツにとっても想定外の事態らしい。
クォーツ『そうか……この地下空間は、エネルギーのわずかな均衡を保って、非常に危うい状態で形作られていた』
クォーツ『アストラルクォーツの情報を回収した際にそのエネルギーの均衡が破られ……このようなことが……っ!』
むつみ「目……目が回って……来ました」
いまや空間全体が渦を巻くかのように蠕動している。
クォーツ『むつみ、取り合えず何かに捕まるんだ』
クォーツ『こうなっては空間が安定するのを待つほか無い』
むつみ「わ、わかりました……けど……気持ち悪い……っ」
むつみは目を固く閉じ、海上で激しく波に揺られる小型船舶に乗っているような感覚に必死で耐える。
次第に揺れは大きくなり、天地が逆さになったかのような感覚に見舞われる。
むつみ「うぅ……早く……収まって……!」
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