モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆lhyaSqoHV6
[sagasage]
2018/11/08(木) 06:31:46.81 ID:LkNOvbtJ0
クォーツ『…………仕方がない』
むつみ「え……?」
重苦しく、苦々しげに絞り出したクォーツの呟きをむつみは聞き逃さなかった。
クォーツ『おいそれと使うべきではない技だが……この際仕方がない』
クォーツはそのまま言葉を続ける。
クォーツ『いいかむつみよ、これから私の力の一端をお前に授ける』
クォーツ『ステージ衣装再現などではない、"私の力"の一端だ』
クォーツ『それを用いて、あのドラゴンを仕留めるぞ』
むつみ「……は、はい!」
ただならぬクォーツの様子に、むつみは気圧され気味に頷いた。
直後、脳内にステージ衣装を再現する際の様に、イメージが流れ込んでくる。
むつみ「(事象の消滅……因果律の消去……?)」
むつみ「クォーツ、これって……」
クォーツ『今は言う通りにしろ!』
むつみ「わ、わかりました!」
頭をよぎるイメージについて訝しんだむつみは、"力"について問いかけるも、クォーツは有無を言わせない。
むつみは意を決してドラゴンを見据えると、目を閉じ精神を集中させる。
むつみ「汝、憫然たる現世の迷い子よ……」
むつみが脳内に流れ込む言葉を紡ぐと、突如としてクォーツの内奥でなにがしかのエネルギーが渦巻くのを感じ取った。
むつみ「冥き虚無の闇を以って、其に久遠の安寧を齎さん……」
小さな石ころ然としたクォーツには似つかわしくないその膨大なエネルギーは、まるで脈動するかのように膨張と収縮を繰り返している。
むつみ「リヴァートゥザヴォイド!」
かっと目を見開き、そして"トリガー"となる言葉を発した瞬間、それは一気に放出された。
先ほどドラゴンが現れた時とは対照的に、光の届かない宇宙空間を思わせる漆黒がクォーツから迸る。
それは、力を向けた対象であるドラゴンも、力を行使したむつみさえも巻き込むと、小部屋全体に広がっていく。
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