モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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36: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:33:31.79 ID:glNSs2qCo

 そして当然、周子もそのことは理解出来ているはずである。

「……まぁ、そうだね。

紗枝ちゃんのその考えは正しいよ。

もう、アーニャは手遅れ。殺すこともできないし、元に戻すことも多分無理だろうね」

 ウロボロスは願いに巻き付き、世界を閉じ込める。
 故にその願いは絶対に揺るがず、何千年経ようと摩耗しない宿命となる。

 故に誰かの言葉で改心させようなど絶対に不可能である。
 元のアーニャを取り戻すことは絶対にできないことを周子は理解していた。

「仮にどうにかなるとしたら、自分自身で心変わりでもしない限りアーニャは救えないんだよね。

まぁ……心変わりしないからこそ、それは『欲求』ではなく『願い』なのだろうけど」

 周子は一息のため息を吐く。
 すでに状況は決している。先の未来が収束に向かっている以上、選択肢も閉塞する。

「だけどさ……絶対に不可能だとわかっているとしても、美玲がああ言ったんだからさ。

アタシとしては、どうにも無下にできなくてね。甘さと言うかなんというか」

 美玲を拾った時から考えれば、先ほどの言葉は美玲の成長の証でもあった。
 一匹狼であった美玲が、周子だけではない他者に気をかけ、あまつさえ自らの役割を自分の意志で活かそうとしているのだ。

「嘘ついたことになるから、美玲には恨まれるだろうけどさ……。

まぁ恨まれるのには慣れてるからね。早く行こっか。

間に合わなくて、美玲の未来がなくなることが一番、避けないといけないからさ」



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