モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/08/03(水) 22:53:54.06 ID:vTRpaymho
その女は恍惚の表情を浮かべながら、画面を高速にスライドしていく。
脳内に広がるのは、外道さえも吐き気を催す最悪のシミュレーション。
ただ自らのシャーデンフロイデを満たすためだけに、女は哀れな生贄を見繕う。
「まだ……まだよ。居場所も奪ってあげるの。
救いの余地なんて与えないわ。だってアタシの提案断ったんだもの。
クヒヒ……アヒ、アハハ。しょうがなわねぇ、だってアタシの意思を無碍にしたんだもの、これぐらいされても文句はないはずよねぇ。
だから、まずは仕事場を……ってああ」
恍惚の表情で悪意を練っていた女だが、ふと我に返ったように静かになる。
そんな表情の変化に隣の少女は不思議そうにその顔を見上げるが、女のほうは気にも止めない。
「そうね……仕事よ、まだプライベートに走る時間じゃないわ。
そもそも、仕事場は今から壊すんだったのよ。
ねぇ……そうでしょう?くるみちゃん?」
首を歪にひねり、隣に座る少女を笑顔で見下ろす女。
だがその表情は世間一般的に『笑顔』と呼べるような肯定的なものではなく、人形の笑顔以上に無機質で、底知れぬ悪意をはらんでいた。
「ひっ……そ、そうでしゅね。……ジャイロしゃん」
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