モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆GPqSPFyVMNeP
[sage saga]
2016/06/17(金) 21:59:33.35 ID:Lzf9MzY5O
「アラァ、おかえり洋子ちゃん」
思いがけぬ声に斉藤洋子は立ち止まり、その方向を見やった。恰幅の良い白髪の婦人が、こっちヨと言わんばかりにニンマリと笑み、手招きしていた。
日課の早朝クライムハントジョギングを終えたばかりの洋子は軽く会釈し、一瞬の思考で次にとるべき行動を選び取った。
この老婦人、洋子が住まう老朽安アパート『ショウワ・ハイツ』の管理者たるオーヤ婆は、世話好きで話好きだ。
本来このタイミングで遭遇するのは避けたい相手だが、今日はクライムハントジョギングの成果ゼロ、ランニングウェアは健在であった。
洋子は未だ火照った身体を手で扇ぎながら、マスター・オーヤのもとへ向かった。
「ごめんなさい、ちょっと汗臭くなっちゃってて」
「イイのイイの、ホントちょうどいいとこだったワ。アタシね、今日オンセン行くから。フラ会でネ。日中空けることになっちゃうから。ネ」
オーヤ婆は意外にも長話をするつもりはないようだった。彼女はジェスチュアで洋子を101号室の玄関先に留め置き、パタパタと慌ただしく室内に消えた。
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