モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 18:08:53.45 ID:glNSs2qCo
『それは光栄なこった。
まぁ、俺は最強だからな』
自尊心でも、傲慢でもない自負。
隊長にとってはそんなこと当たり前で、同時に空虚である。
『だが、そんな俺に勝ったお前はどうだ?
ハンデがあったとしても事実は事実。お前はそれを誇るべきだ』
強さは手段でしかない。誰よりも強く、誰よりも型破りで、至高にして孤立する個。
そんな自らの強さなど、目の前の少女が成したことに比べれば取るに足らないことだと。
意味のない絶対的な強さよりも、意味を持った目的のための強さこそが、自身とアーニャの違いだと隊長は思うのだ。
「そんなことに……もはや、意味なんて……。
あの時は、それが正しいと、思いました。
あの強さが、私の思いだと、自分で選んだ、正しいことだと思いました。
でも……私は、わたし自身を、裏切った」
自身の意味の無さに気づいてしまったから。
いくら力が強くとも、いくら強大な敵に打ち勝ったとしても、中身のない物だと気づいてしまえば意味がない。
自問してみれば簡単だった。誰もが違和感が気付けないのならば自分で気が付くしかないのだと。
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