ドイツ「地球立キチガイ学園にようこそ!今日も今日とて偽善に励むぞ!」
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477: ◆pIxjj4GI1s[saga]
2016/12/20(火) 23:21:24.50 ID:vgwpYOPq0

少年らはそのまま別れ、日本は自室に戻った。

部屋の前には小さな小包が置かれていた。

日本「あ、父上からだ」

少年は父親に申し訳なく思っていた。

彼の父は元々、彼を自身の母校に入学させたがっていた。
彼の父は小中高と、名門私立の出身であった。
「さすがに中学には間に合うだろう」と、中学受験の勉強を息子にさせた。
「さすがに高校には間に合うだろう」と、高校受験の勉強を息子にさせた。
結果はというと、受験すら不可能であった。
彼はいつまでたっても退院させてもらえず、11年間このセンターで過ごした。
彼の父は落胆した。
一応高等部編入試験の勉強は続けているが、それもおそらく無理だろう。

日本(せめて大学には、華々しく入学したいものだけど・・・)

小包の中の封筒を開け、手紙を読む。

『息子よ、我が母校に通うことはできなくても気にする事はない。
 私はもはやお前に大学受験の勉強はさせない。
 そのセンターで受験勉強をしても、退院させてもらえないのなら意味がないからな。
 ちゃんと退院できてから、家で勉強を始めればいい。』

日本「ごめん、マジでごめん」

『ところで、お前に良い知らせがある。
 お前が入院するきっかけになったあの事件で、
 お前が紛失した草薙剣簪が見つかったのだ。』

日本「え?あー、そういえば・・・あれか。玩具にしてたなぁ」

何せ11年も前の話であるので、日本はあの事件のことを忘れかけていた。
あの頃の少年は、「蔵でカッコいい剣を見つけた」と大はしゃぎで、
そのまま簪を振り回して外を駆け回っていたのだ。
浜辺まで来たところで、知らぬ男の声が聞こえて―――その先は記憶が曖昧になっていた。
 


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