50:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 20:28:41.91 ID:afyGBDLB0
鍛冶屋「……ええわ、とりあえず納得しといたる。うちも後暗い奴ら相手に商売してる身や、わきまえとるがな」
鍛冶屋「でも、『あんたから頼まれてるもの』は値段上乗せにさしてもらうで。百両分な」
鍛冶屋「うちにどんな火花が飛んでくるかわからんわ……」
用心棒「……ああ」
鍛冶屋「それだけや。精々死なないように……」スック
相棒「チョクトウ」
鍛冶屋「え?何や?」
相棒「直刀をひと振り。出来るだけ良い物を……」
鍛冶屋「……あんなあ、相棒の姉ちゃん」
鍛冶屋「江戸は今黒船騒ぎでぴりぴりしとる。火薬も、鉄も、そうそう手に入らんもんなんやで?」
鍛冶屋「長い付き合いやから『用心棒の頼んだもの』は引き受けたけど、この上刀なんて……」
相棒「頼む」ペコリ
用心棒「……!」
鍛冶屋「……もう百両、上乗せやで」
相棒「ありがとう」
鍛冶屋「まったく、大赤字や……」
鍛冶屋「……もたもたしとるとあんたらの言う『騒ぎ』に巻き込まれる。うちは退散さしてもらうで」
鍛冶屋「夜道やけど……あんたらの依頼の品も用意せなあかんしな」
用心棒「ああ、頼む」
ドスドス… スッ
スパンッ
用心棒「さて、夕餉だ、夕餉だ」パンッ
用心棒「坊主、冷めたから食いたくないとか我が儘言うんじゃないぞ?」
用心棒「いつまでタンスに隠れていられるかもわからん。腹が減っては戦はできぬ、だ……」
少年「はい……!」
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