雑談しようぜ Part3
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430:名無しNIPPER[saga]
2017/04/10(月) 22:33:03.81 ID:lgsX17cTo

 父親が東北に異動したため、俺は母と一緒に父親について東北の学校に転校した。それ
は、俺が大好きで大切にしていた浅井姉妹と別れることを意味していた。転勤の期間はわ
からないという。そんなに長い間じゃないよと父は言ったけど、それほど確信のある様子
でもなかった。他の女の子も男の友達も別れることはどうでもいいが、浅井さんちの姉妹
と会えなくなるのは正直辛かった。

 俺にとっては浅井さんちの姉妹は、何て言っていうか本当の兄弟以上の関係だった。だ
から、俺はこれまであの姉妹を恋愛対象として見ることを自分に禁じてきた。女の子と付
き合うということは、すごく楽しいことなのだと俺は既に学んでいたし、そういう経験も
積んでいたけど、別れた後のことを考えるといろいろ問題がある。

 俺はいろいろな女の子と付き合ったけど、結局別れるとその後は視線すら合わせなくな
る。仮に浅井さんちの姉妹のどちらかと付き合えたとしても、その後の保障なんかない。
別れて、あいつらと仲が悪くなるくらいなら、このまま仲のいい幼馴染でいいじゃんか。
俺はそう思っていた。だから、そうなるくらいなら、幼馴染として、恋愛対象として見な
いようにすればいい。俺はずっとそう思っていた。

 姉妹と言ったけど、別に二人のことが同時に好きだったわけじゃない。どちらかという
と俺が好きだったのは姉さんの方だった。見た目や人気で言うと妹の方が上なのは間違い
ない。唯は、同じ学校の男たちからすごく人気があった。それでも俺が好きなのは姉の方
だった。どうやら俺は年上趣味らしい。

 この姉妹を恋愛対象とすることを自分に禁じていた俺は、彼女たちの恋愛事情に立ち入
ったことはないけど、同じ学校で過ごしていれば何となく状況はわかる。多分、姉さんは
今まで男と付き合ったことはないはずで、唯の方は、片手では収まらないほど男との付き
合いがあると思う。ただ、生徒会に入った途端に、唯は真面目になり男と付き合うことも
なくなったようだった。恋愛感情を向けていたのは姉さんの方だけど、唯に対しては本当
の妹のような保護欲を感じていた俺は、それで少し安心したものだった。そんなときに、
俺は転校し、姉妹のそばを去ることになった。


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