にこ「きっと青春が聞こえる」
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85: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/04/03(日) 23:21:55.92 ID:JvmSDeLco

「ほらー、やっぱり誰もいないみたいだよ? 早く行こうよー」

「あ、うん……おかしいな……」

 と。私の目指す先から会話が聞こえる。

「一人しか残ってなかったんでしょ? やめちゃったんだよ、きっと」

「そう、なのかなぁ……」

「だからさ、一緒に陸上部やろうよ! きっと楽しいよ」

「で、でも……私運動苦手だし……」

「なおさらだよ! 一緒にがんばって大会とか出られるようになろうよ!」

「う、うーん……」

「そもそも入部するかどうかも決めてなかったんでしょ? ここ。だったらすぱっと諦めちゃおうよ」

「そう、かな……」

 会話から察するに、部活に悩む一年生、ってところかしら。

 あーはいはい、美しい青春模様は私と関係ないところで――

 って、ちょっと待った。

 この声が聞こえてるのって、私が向かってる場所――アイドル研究部の部室前から、よね。

 というか、というか!

 この、聞き覚えのある声って、まさか――


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