にこ「きっと青春が聞こえる」
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630: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2017/07/17(月) 23:38:08.50 ID:huycTrwqO

 * * * * *


 屋上への扉は、開くといつもびゅう、と一際強い風をもたらした。

 いつもは髪が崩れて不機嫌になる要素だったけど、今だけはその荒々しさが少しだけ心地いい。

 私の背後にべたりとはりついていた後ろ暗いものを、吹き飛ばしてくれたから。

花陽「あっ――」

 レッスンで体を動かしている途中、私の存在に真っ先に気づいたのは、私が求めている人物だった。

 その視線に気づいた他の子たちも、次々に私をその目に捉える。

 12の瞳が、一度に私を射抜いた。


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