582: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2017/05/22(月) 16:30:11.74 ID:/PVFQV9zO
にこ「……なにかが、割れるような音」
考えた末に出た答えは、それだった。
いや。もっと正確な言葉を、私は思い浮かべたはず。
「ひびの入った音」
にこ「――――」
考えを読んだかのように、彼女は私の言葉を続けた。
「そうね、その通りよ。今のはひびが入った音」
「ひな鳥がその内側から卵をわるために」
「外の世界へ歩みだすために」
「自分を守る殻を?ぐために」
「ひびを入れた、音よ」
にこ「わけ……わかんない」
「うそつき」
にこ「嘘なんかじゃ、」
言いかけて、気づく。
私を罵るその言葉を、つい先ほど言われたばかりだということに。
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