にこ「きっと青春が聞こえる」
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495: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/12/20(火) 01:33:09.77 ID:YNfrPH5eo

【Side:花陽】

花陽「――失礼します」

 私が生徒会室の扉を開けると、少し目を丸くした生徒会長と目が合いました。

凛「失礼します」

 続いて凛ちゃんも。その姿を見て、生徒会長は表情を怪訝そうなものに変えます。

絵里「……いらっしゃい、アイドル研究部のお二人さん」

 氷のように冷たい視線が、私の心を見透かそうとしているのがわかりました。

 当然、だと思います。

 今日の午後五時。生徒会長たちは、その時間に私たちの部室を訪れる予定でした。

 この人たちが、アイドル研究部に入部するかどうかを決めるために。

絵里「こちらから伺う約束だったはずだけれど、私の記憶違いだったかしら」

絵里「それとも、別件で生徒会に用事?」

花陽「いいえ」

 生徒会長と向き合う私の声は。ひょっとしたら、少し震えていたかもしれません。

 これから自分がすることを考えたら、だけど、声だって震えます。

 だって。

 これはきっと、とってもずるい取引だから。



花陽「アイドル研究部に入っていただけませんか?」


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