432: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/10/20(木) 22:57:57.10 ID:DRFjCdkxo
一週間。このぎくしゃくした部活動は、あと一週間で終わるみたいだった。
一週間後の今日、ネットにアップするための動画を撮影する。今日、生徒会長が私たちに告げたタイムリミットだった。
やっと終わる。そんな安心感が半分。
でも、一方で不安に感じる。誰よりもだめだめな私が、他のみんなとおんなじように歌って踊るには――きっと、足りない時間。
本番も失敗するのかな。転んじゃうのかな。歌詞を間違えるのかな。
にこ先輩、怒るかな。怒るよね。
でも……いっか。
だってにこ先輩は、きっと、私のことなんて見てないから。
にこ『ほら、ことりだって必死にやってるわけだし。それが理由でもいいじゃない?』
それは、全部の答えだった。
私があそこにいる理由なんて、後付けだって構わない。
「私」っていう個人に、意味は、きっとなくて。
必要なのは、「部員」っていう記号だけ。
穂乃果「…………」
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