211: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2016/05/19(木) 21:28:34.82 ID:hkr0uN9Wo
たしかにここ一か月以上はダンスはおろか基礎トレーニングもほとんど怠っていた。
それにしても、一曲でこのザマ? ありえない。
体力の低下、というよりは……
にこ(これも戻ってる、のね)
当たり前と言えば当たり前。だけど盲点だった。
記憶が受け継がれているのならば、「私自身」が一年前に戻ってきた。
そう、疑ってすらいなかった。
でも、現実は違った。
体力や筋肉、あるいは神経の繋がりというかセンスというか、そういったものは全て一年前のスペックに逆戻り。
今の私は、そう――素人、だ。
にこ「――――よ」
凛・花陽「え?」
にこ「――トレーニングよ!」
花陽「あっ!」
凛「にこ先輩!」
言いながら、二人がついてくるのも確認せず店を飛び出す。
言いようのない不安が、足首をぎゅっとつかんでいるような気がした。
――私は、もっと焦らないといけないのかもしれない。
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