91: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/05/27(金) 23:09:00.18 ID:aj4xDXo6o
風の唸るような、地響きのような音がする。
誰かが話している声に聞こえる。
それとも、ボクを威嚇しているのだろうか。
この巨大な連中がその発生源であるように思えた。
横を見ると、また別の誰かがいる。
ぼんやりと霞んだ影、あの気配ほど大きくはない影がいくつか。
あれは誰だろう。
誰と誰で、知っている相手なのだろうか。
いや、誰ひとりとして、見知った者はいない。
影がボクに気づいた。
影たちがボクに振り向こうとしている。
巨大な存在の方は、とっくに気づいていたと言っている。
彼らは、彼らの言葉でそう言っているのだ。
“言っている”。
そうだ。
ボクには、ボクだけには、彼らが話す声が理解できる。
……そのあとのことは、よく憶えていない。
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