90: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/05/27(金) 23:07:53.06 ID:aj4xDXo6o
轟々と前から吹く風の中を、ボクはあてもなく進む。
どうしてこんなところにいるのか。
それもはっきりとは憶えていない。
風向きが変わって、束ねた長いボクの髪が視界を横切った。
ばたばたと音のない音をさせて、帽子の下で髪が暴れている。
ボクは帽子を被りなおしてまた進む。
ボクは、なんだか鬱陶しく思って、足を止める。
これから行こうとする方向に、大きな気配が立ち塞がった。
いくつもの巨大な存在が、いつの間にか目の前に並んでいる。
『彼ら』に見られている気がする。
『彼ら』は、ボクを見下ろしている。
連中は、今この瞬間、ここに出現したのだろうか。
いや違う。
連中は、前からずっと、あそこにいたように思う。
ああやって、ずっとボクを監視していたんだろう。
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