59: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/04/17(日) 00:31:00.94 ID:WHcPEpPlo
あたたかいというのは、とてもいいことだ。
ジュプトルはしみじみと思う。
自分を包む空気はむしろ暑いが、それとはまた別だ。
不快ではないし、辛くないし、なにより、気分がいい。
ぼうっとして、余計な考えがぼろぼろと落ちていく。
自分の望むものがなんなのか、はっきりしていくのは少し悔しい。
ジュプトル「……いいなあ、これ」
ダゲキ「ぼくも、いいな、と おもった」
ジュプトル「なでるのが?」
ダゲキ「なでるの、されるのが」
ジュプトル「だろー?」
ジュプトル「さっき、ミュウツーも なでてたな」
ダゲキ「あれは、あんまり よくないよ」
ダゲキ「ちょっと いたい」
痛いと言うわりに、それほど嫌そうではない。
そんなややこしい物言いをする彼は、やはり珍しかった。
手は、ジュプトルの頭に置かれたままだ。
心地良い圧力を存分に味わい、ジュプトルはゆっくりと息を吐いた。
こんなに穏やかで満たされた時間は、初めてかもしれない。
全身がすみずみまで、にぶくぼんやり痺れている。
それでも、その痺れに嫌な感触はない。
ジュプトル「……やっぱり まえと ちがうよ」
ダゲキ「なにが?」
ジュプトル「おまえ、こんな やさしく なかった」
少し驚いたような顔をして、ダゲキは苦笑いした。
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