410: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/09/17(日) 01:07:55.57 ID:IYrmd6hRo
チャンピオンはレンジャーをまっすぐ見た。
親しみやすさが消えたわけではないのに、同時に厳しい山脈のような威圧感を放っている。
彼に挑む者はみなこれを味わうのだと思うと、レンジャーは縮み上がった。
やっとの思いで目を落とす。
今もなおアデクの視線が身体を焼いている。
レンジャーは困り果て、アロエに助けを求めた。
だがレンジャーの仕草に気づくと、なぜか彼女は目を逸らしてしまった。
仕方なく、自分の膝に視線を戻した。
地獄のような無言の時間が、あるいは永遠に続くのではないか。
そう錯覚するほど空気が重かった。
アデクの問いに答えることは難しい。
『あいつ』のことがなにもわからないから、こうして調べまわっているのだ。
そして成果も芳しくない。
わかっていることも、とても少ない。
シルエットからわかることであるとか。
周辺の木々から類推される体長、身長であるとか。
おそらく、飛行能力があることだとか。
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