408: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/09/17(日) 01:06:12.04 ID:IYrmd6hRo
その一声だけで、まるで首を絞められたように息ができなくなった。
衣服の膝の部分を握りしめて、レンジャーはどうにか息を整える。
レンジャー「い、以前にあの、地域会議で……」
そこまで言うと、アロエはぱっと花が咲いたように明るい顔になった。
「あぁ!」と小さな声を上げている。
アロエ「そっか、やっぱり。なぁんか見覚えあったんだ」
アデク「ほーう」
アロエ「ここら一帯担当のレンジャーの子」
アロエ「でしょ」
レンジャー「は、はい」
じろじろと全身を検分したのち、アデクは合点がいったように頷いた。
アデク「なるほど、今はプライベートということか」
カツラ「ユニフォームでないとわからんものだな」
レンジャーは困って背を丸めた。
カツラの言葉が嫌味なのか本心の感想なのか、まったくわからない。
だが、そうだ、そうなのだ。
自分など、制服を着ていなければ、どこの誰かもわからない存在なのだ。
半端者だから仕方がない。
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