294: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2018/04/09(月) 00:37:44.07 ID:pdxvH6grO
ダゲキが身体を少し捻って、うしろの誰かを促している。
『ほら早く出てこい』と言わんばかりの動きだ。
その動作も、どことなく砕けた親しさを感じさせた。
彼がそんなふうに、表情豊かな所作を見せたことに驚く暇もない。
『誰か』が、ダゲキの背後からおそるおそる姿を見せた。
いつかのコマタナの姿が脳裏をかすめる。
レンジャー「うわあっ」
思いがけない客に、レンジャーは思わず声を上げていた。
その声に、コマタナと緑色の影がびくりと痙攣する。
自分の心臓が爆音で波打つのを感じる。
嬉しいと思うよりも前に、レンジャーの足は勝手に動き出した。
駆け寄ってしゃがむ。
背丈はダゲキの半分ほどしかない。
もっと身体は大きくてもいいはずだ、と頭の片隅で『知識』が言う。
最後に見かけたときよりだいぶ改善されているが、いまだにちびで痩せぎすだ。
いまさら食べても、遅れを取り戻すのは大変なのだろうな、と納得する。
観念したのか、ダゲキのうしろから小さな影がそろそろと進み出た。
現れたのは小さな小さなジュプトルだった。
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