236: ◆/D3JAdPz6s[sage saga]
2017/09/11(月) 23:42:31.64 ID:rkTzmv0FO
書斎に戻ったヨノワールは、血相を変えてミュウツーとジュプトルに経緯を説明した。
とはいえ、伝えることができるのは自分の目で見た部分だけだ。
途中までは問題なく『見回り』ができていたこと。
自分がポールに掛けられていた鎖を床に落としたこと。
それを機に、彼がおかしくなったこと。
いつも以上に口は回らず、言葉も浮かばず、うまく話せない。
要領を得ない話しぶりにもかかわらず、友人たちは茶々も入れずじっと聞いていた。
やっとのことで説明を終える。
ふたりが顔を見合わせた。
ヨノワールは不安にかられ、おろおろしてふたりの反応を待った。
言いたいことは言えたのだろうか。
伝わってほしいことは、ちゃんと伝わったのだろうか。
するとミュウツーは深い溜め息をつき、首を横に振った。
ジュプトルは溜め息こそつかないものの、鼻筋を掻いて困った顔をした。
意外なことに、ふたりともあまり深く追及してこない。
そこでふと、ヨノワールは思い至った。
ふたりは彼の異変について、わけを察しているのかもしれない。
こんな事態になることも、ある程度は予想できていたのかもしれない。
普段からの付き合いは彼らの方がずっとある。
心当たりがあってもおかしくなかった。
では、自分はどうだ。
ヨノワール(わたしは なにも しらない)
ヨノワール(……)
ヨノワール(じぶんの ことだけ、かんがえてた からだ)
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