198: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2017/05/13(土) 23:39:25.96 ID:kt/KZChQO
とても不思議な光景だった。
自分と、自分の友人が全部で四匹。
そして人間の女がひとり。
天井も四隅も薄暗い、本だらけの部屋にいる。
彼らは壁の蝋燭に照らされ、影だけが別の生き物のように揺れている。
いつもと同じように光はほんのり温かい。
友人たちは薄いシートに腰を下ろして休憩を楽しんでいる。
本を見るのも白い紙に絵や字を書くのも、ひとやすみということらしい。
ミュウツーは一歩も二歩も離れたところから、そんな彼らを見ている。
どうしてこんなことに、とミュウツーはふたたび虚空に問いかけた。
誰からも、またどこからも返答はない。
幾度となく自問しているのに、答えは一度も得られていなかった。
アロエ「あっ、そうだ」
小さな声でそう呟くと、アロエは小振りなバスケットを手に取った。
彼女自身が持ち込んだ籠から、さまざまな色のきのみを適当に放り込む。
少なくともミュウツーには適当に選んでいるようにしか映らなかった。
ジュプトルがやる気のない目つきでその動きを追っている。
放っておけば遠からず眠ってしまいそうだ。
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