151: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2016/10/24(月) 23:58:02.99 ID:GKUQ56mXo
いつも通る窓を、いつものように開錠して中に入る。
自分より身体の小さいふたりは、問題なく通り抜けることができた。
書架の上にふたりを降ろして後方を見ると、ヨノワールの姿がない。
ジュプトルに目で尋ねても首を横に振るだけだ。
自分より少し図体が大きいくらいだったはずだが、とミュウツーは周囲を見回す。
すると、ダゲキが足元の書架の更に下の方を指差した。
指された方に目を向けると、書架の間にヨノワールの影が漂っているのが見える。
こちらに気付くとヨノワールは目を細め、呑気に巨大な手を振った。
ミュウツー(い、いつのまに……)
ミュウツー(……ううむ……先が思い遣られるな)
???「おッ!」
突然、よく通る声があたりに響いた。
全員が反射的に息を潜める。
同時に、眩しい懐中電灯の光が目に突き刺さった。
???「本当に来てくれたんだねえ!」
さきほどより少し潜めた声が、光の向こうから聞こえる。
よく考えれば聞き覚えのある声に、ミュウツーはようやく少し緊張を解いた。
なんだか、この状況には覚えがある。
懐中電灯の灯りは自分から逸れ、ゆっくりと周囲の友人たちに移動していく。
???「なんだかバタバタ聞こえたから上がってきたけど」
???「これだけいれば、そりゃあ音もするわよねえ」
声の主は小声で笑いながら、懐中電灯を床に向けた。
光は床を照らし、反射して周辺の空間をぼんやりと照らす。
おかげで互いの姿がよく見えるようになった。
目の前には、人間の女が懐中電灯を持って立っている。
笑顔を浮かべ、嬉しそうに手を広げて、彼女は囁いた。
アロエ「いらっしゃい、待ってたよ!」
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