290: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/07/24(日) 21:19:47.84 ID:vnrvk9SSO
その台詞は、ここまでのさやかの言葉を、全て吹き飛ばした。
さやか(……仁美らしいな)
普段は真面目だが、実は夢見がちな一面も持つ、仁美らしい台詞だった。
……結局、言い訳に過ぎなかったのだ。
さやかが仁美に負い目を感じていたのは確かだ。
一度チャンスをもらっておきながら、そこから逃げ出したことが心に引っ掛かっていたことは、否定できない。
だからこそ、やらなければならないことができたから……という言葉で誤魔化して、仁美に譲ろうとしたのだ。
しかし、それで仁美を説得できるはずがなかった。
さやか「……」
仁美の気持ちはわかる。
だが、逆もまた然りだ。
まともに恋愛ができない境遇にある自分のせいで、親友の恋愛の邪魔をしてしまうなんてことは、やはり耐えられない。
ならば、どうするか。
さやか(仕方がない、か……)
話すわけにはいかない、が……ある程度は、わかってもらう必要がある。
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