269: ◆c6GooQ9piw[saga]
2016/05/18(水) 18:08:06.70 ID:19PX2CMeO
さやかが去り、杏子はひとり物思いに耽っていた。
さやかが食べなかったリンゴに、何の躊躇いもなくかぶりつく。
自らのその行動に、さやかとの違いを認識せずにはいられなかった。
杏子(……本当に、これでよかったのか?)
いいはずがない。
たとえば、あいつなら。
巴マミなら、もっといい選択ができていただろう。
すなわち、共に正義の魔法少女としての道を歩み、近くでさやかを支えることができたはずだ。
だが、杏子にはそれはできなかった。
無責任に、明るく険しい道だけを示しておきながら、自分はそこについていくことができなかったのだ。
杏子「……」
今更、この生き方を変えることはできない。
杏子にも、様々な経験をして、その上で見つけた答えがある。
だから、これは当然の結果だ。
元々、さやかは杏子の仲間になれるような人間じゃなかった。
ただそれだけの話なのだ。
自分に言い聞かせる。
杏子(……あたしとさやかは、違う)
杏子の胸には、喪失感だけが残っていた。
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