464:名無しNIPPER
2018/10/23(火) 21:20:15.44 ID:RWsS3nCI0
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「ボクをやっつけに来たのかな?」
ドラゴンは本を閉じて、本棚にしまった。
紙は片方の爪で丸めて後ろにあった筒に入れる。
ローザは恐ろしくて口がきけなかったがなんとか勇気を振り絞り、「そうだ」と言った。
「やれやれ、人間は無害なドラゴンを恐ろしいと見た目だけで判断して命を奪おうってことだね?変わらないね、人間ってのは。
ボク達は、ずっとこの山に住んでいるけれど、人間に危害を加えたことは1度もないよ。人間に寝込みを襲われたりすることは何度もあったけど」
ドラゴンは、棚からまた違う本を取り出して、読み始めた。
「キミはどうやら帝国騎士のようだけど、この気の弱い優しいドラゴンのボクに口も聞けない程怯えている。滑稽だね」
「だ、黙れ!」
「ほら、脚が震えているじゃあないか」
「う、うるさい!とにかく話を聞こうではないか!」
ローザは、恐怖心に打ちのめされそうになりながら、ドラゴンの元に近づいた。
ドラゴンはふうんといった顔でローザを上から下まで見下ろした。
「まだ若いじゃないか、キミ、名前は?」
「ローザだ」
「ボクは知識を集めるドラゴンのイントだよ。うーん、そうだねえ、2,015歳かな?息子もいるよ。妻は第3次帝国戦争の時に、人間を避難させようと背中に乗せている時に、兵士に撃ち落とされた」
ローザは言葉を失った。
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