461:名無しNIPPER
2018/10/23(火) 21:16:44.24 ID:RWsS3nCI0
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騎士団は、山を登った。
2時間ほど悪路を登ったところで、頂上が見えた。
「よし!もう少しだ!」
ローザは一気に駆け上がった。
しかし、そこには草木以外何も無かった。
「ローザ様、ドラゴンの巣なんてないじゃないですか!無駄足だったのでしょうか?」
「そう焦るな。皆で手分けしてドラゴンの巣を探そう。日が沈まぬうちに!」
団員達は散り散りになって、ドラゴンの巣を捜索しはじめた。
ローザは奥へ奥へと進んでいく。
すると、木の葉で覆われた巨大な半年型のドームのような物から、灯りが漏れているのを見つけた。ローザはおそるおそる近づいてみた。
どちらかというと、黒に近い灰色のドラゴンが器用に爪でペンを持ち、羊皮紙に何か書いているではないか!
木の葉のドームの中には、枯葉を固めて作ったと思われる本棚があり、数えきれない程の本が整理され収められていた。
金色の目をした灰色のドラゴンは、時折あくびをしながら、ページを器用に巨大な爪で捲りながら、筆を進めていく。
ローザは、その予想外の状況に驚き、後ずさった。パキッと小枝を踏みつけた音がした。
ドラゴンと目が合った。死を覚悟した。
「隠れていないで、出てきておくれ」
低い優しい柔らかな声でドラゴンが言った。
ローザは、前に出た。片手にはしっかりと聖剣が握られている。
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