392:会議前(お題:予見者の眼に写らない空谷の跫音)1/3[sage]
2017/01/27(金) 10:29:21.69 ID:h+e/RVqO0
空谷の文字列をドラッグすると、私のAndroidスマートフォンはすぐさまサジェストを画面下部に表示した。ワンタップで検索画面に切り替わり、Googleのエンジンは考えうる最大の早さで結果を提示した。検索トップの辞書ページによると、空谷とは「人のいない寂しい谷間」のことを表し、空谷の跫音と続けることで、「孤独なときに受ける珍しくてうれしい訪問や便りのたとえ」という意味の慣用表現となるらしい。跫は一文字で足音の意であることは知っていたが、跫音として二字で熟語になることは今知った。これで昨日の自分よりかは少しは賢くなれただろうか。
それから、「予見者の眼に写らない」という語句について考えた。
予見者、つまり未来の物事を予め見ることが出来る者。その者の眼に写らないとなれば、一見矛盾しているように思える。
論理の世界に生きる人には腹立たしく感じられるかもしれないが、矛盾は往々にして詩的表現を生むものだ。柔軟に受け入れて考えてみよう。そうして整理してみると「予見者の眼に写らない空谷の跫音」というお題は、物語の予感を内包しているように見えなくもない。
さて、ここで唐突ではあるが私は今小説を書こうとしていることを白状しよう。そしてこれは創作のメタ構造を無視し、読者であるあなたを想定した記述であることを先に述べておく。もっといえば、リアルタイムでこの文章を綴っている現実世界の私は、このあと勤め先の会議を控えているが、
393:会議前(お題:予見者の眼に写らない空谷の跫音)2/3 [sage]
2017/01/27(金) 10:31:10.99 ID:h+e/RVqO0
会議場に予定時刻の二時間も前に着いてしまったために時間をもて余しているの間抜けな奴である。そして、
2ちゃんねるの創作スレッドでお題を貰って小説を書いている最中でもある。
こういった記述は小説作法一般では禁じ手とまでは言わないにしろ、決して好ましい技法ではないことは勿論承知している。その前提の上で、私は小説の登場人物でありながら、書き手である「私」としてもあなたに問いかけながら物語を進めていくことを許してほしい。
さて、「私」の位置付けを先に吐露してしまったのは、悪手ではないかと自問しつつも、私に残された道を考えてみようと思う。
一つは、このまま何事もなかったかのように、劇中劇という形式で小説を書き、お題を消化するこ
394:会議前(お題:予見者の眼に写らない空谷の跫音)3/3[sage]
2017/01/27(金) 10:33:44.96 ID:h+e/RVqO0
もう一つは、捻れたメタ構造を維持しつつ私の物語を着地させること。
後者の解決策の抱える問題は、私が予見能力を持たない一般人であることか。
と、ここまで書いたところであることに気がついた。「私」は小説の登場人物でありながら、物語の趨勢を左右できる作者としての「私」、つまり未来を思うがままに予見し、更には記述することあらゆる状況を産み出すことが出来る存在では
ないかということに。
光明が見えた。
395:名無しNIPPER[sage]
2017/01/27(金) 10:34:11.56 ID:h+e/RVqO0
書き込めた。終わり
396:名無しNIPPER
2017/01/28(土) 10:16:02.46 ID:34+rZwen0
よーし、もう一本書こうかな
お題ください
397:名無しNIPPER[sage]
2017/01/28(土) 10:31:08.64 ID:xEa3wVGS0
>>396
[入替]改札口
398:名無しNIPPER[sage]
2017/01/28(土) 20:37:29.88 ID:cuBJAWqTo
自分にもお題ください
399:名無しNIPPER[sage]
2017/01/28(土) 20:50:20.36 ID:ZHDMHfV0o
若さもしくは老い
400:名無しNIPPER[sage]
2017/01/28(土) 21:18:23.83 ID:0vHRO7Zko
僕にもください
401:名無しNIPPER
2017/01/28(土) 21:38:11.03 ID:ePon0Iivo
幼な妻
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