文才ないけど小説かく 7
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222:夏が訪れる(お題:ななし,ラムネ) 0/8[sage saga]
2016/07/03(日) 23:21:08.42 ID:/c5Rqj1io

何か最後に一言と思い彼女の方へ振り向くと、彼女もじっとこちらを見ていた。

「あなたといると落ち着くわ。そう思わない?」

そう言うと俺の返事も同じだと確信しているかのように、薄く優しい笑顔を浮かべ立ち上がった。

「ラムネ、いただいてもいいかしら?」

また、彼女は俺の返事も待たずに僕の手からラムネを受け取り、ぬるくなったそれを美味しそうに飲み干した。

「ごちそうさま、美味しかったわ。またね」

飲み干したラムネ瓶を先ほどまで座っていた場所に置くと、颯爽と歩いて行った。
自分勝手なその行動に腹は立たずに、むしろ魅入られていた。まるで初恋のように胸が高鳴ったのだ。
次の日も、また次の日も彼女に会いに行った。
その度にラムネを持って行ったので、カランとエー玉が瓶の中で鳴ると彼女を思い出す。名前も知らない彼女のことを。
それが去年の夏のこと。
そしてまた、夏が訪れる―――



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