文才ないけど小説かく 7
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198:ななしのラムネ様(お題:ななし・ラムネ) 2/9[saga]
2016/07/01(金) 00:05:43.90 ID:Uf2E1B1ho

 仕事の休みは三日しか取れなかった。そもそも長居するつもりもなかったし、到着した日は実家でくつろぎ、翌日に
母校での同窓会。その日のうちに「家」へと帰り、三日目は家族サービスでもしよう。そんな算段であった。
「おお、懐かしい顔が揃ったな」
 子供のころは果てしなく広く感じた、今となっては手狭ささえ覚えるグラウンド。集合場所であるそこに最後に現れ
たのは、今回の同窓会を企画した張本人であった。
「遅いぞー、学級委員長」
「あれ、あんたちょっと太った?」
「うるせーばか、気にしてるんだよこっちは」
「変わんないねぇ、みんな」
 懐かしさが会話を進める。誰かが言った「変わらない」という言葉は、ある意味ではその通りで、だけど正しくはない。
 みんな大人になったのだ。会話の端々に垣間見える彼らの生活が、それを如実に物語っていた。その場だけを刹那的
に楽しめた少年期とは、もう決定的に違うのだ。
 と。感慨にふけっていた私のシャツの裾を、くいくいと引っ張る手。
「久しぶりぃ」
 にぃ、といたずらっぽい笑みが、私の顔を低い位置からのぞき込んでいた。


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