文才ないけど小説かく 7
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13:白い空の下で 2/4 ◆d9gN98TTJY[saga]
2016/02/07(日) 23:17:16.65 ID:lRIA5Tkuo

 昨晩は今に劣らず寒かった。
 けれど窓の鍵は普段通り外していて、耐えられない寒さならそれこそいつもの様に、前足
を器用に使って窓を開けて入ってくるだろうと。                         ユメウツツ
 稀によくある。矛盾のようでそうではない日常の、猫が喧嘩をして駆けて行く喧騒を、夢現
の中で聞いた。
 なぜ判ったのかは判らない。その鳴き声の一つが、知っている猫ものだとは判っていた。
 不安は覚えていた。
 いつ亡くなってもおかしくはないと。
 冷えた身体を震わせたまま、窓の隙間から布団の隙間へと入り込んでくる。それを、半ば
眠ったままで迎え入れて温める。その冷たさで目が冴える事もなく、むしろ安堵と幸福の中
で深い眠りについていった。
 今日は生きていてくれた。けれど、明日亡くなるかもしれない。
 そう覚悟しているつもりで、毎日の様に己に言い聞かせているつもりで、生きていてくれる
“ 今日 ”が永遠に続いてくれるものとばかり思っていた。
 不安が不安のままである、この幸せな日々が続くと――。ずっと。



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