僧侶「ねえねえ、勇者様」 勇者「なんだい?僧侶ちゃん」 賢者「その2だよ」
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◆XUMchLPOFg
[saga]
2017/10/15(日) 21:08:10.02 ID:Dutfa5Teo
[悲しいけど、戦争は稼ぎ時なのよね]
老人「君は知らんだろうが、今の王政になる前は魔族と戦争状態だったんだ。かれこれ40年も前の話になるか」
僧侶「話だけは知ってます、戦争で多くの命が失われて無関係の一般人も巻き込まれたはずです」
老人「その通りだ、わしは武器商人をやっておった。王国側と魔族側と両方に武器を供給していた」
僧侶「…死の商人ですか?」
老人「そうなるな、王国には魔族側に比べて格安で卸しておったが言い訳にもならんだろう」
僧侶「なぜ魔族の方にも武器を卸したんですか?」
老人「魔族の武器製造技術はそこまで高くはなかった…いや、王国の技術が当時の世界水準では高すぎたのさ。その技術を目当てに魔族は交渉してきた、莫大な金と携えてな」
僧侶「そうなんですね、魔族の製造技術が低いとは一体…」
老人「魔族は身体能力と魔力の量に長けていたからな、武器の性能が低くとも力で勝てる。だがこの国は特に武器の開発には力を入れていたからな、少ない資源ながら高い水準の武器を作るこの国は、当時隣国からも危険視されて牽制されていたよ」
僧侶「なるほど、この国が兵力に力を入れているのはそのためなんですね」
老人「その戦争も泥沼化して流さなくとも良い血を随分と流したものさ、最後はお互いゲリラ戦でただの報復合戦だよ」
僧侶「そこまで泥沼化していたんですか、停戦協定が結ばれた話を聞いた時はすんなりと受け入れられたものかと思ってました」
老人「国としてはかなり前から停戦したかったはずだ、だがうまくはいかなかった」
僧侶「…なぜですか?」
老人「わしら商人は戦争が終われば武器が必要としなくなる、特に武器商人は戦争が無くなれば廃業して首を括る者もいるだろう。それを恐れた一部の武器商人連中が嘘を流して末端の兵士と魔族を焚きつけたのさ、更なる私腹を肥やす為だけにな」
僧侶「許せませんね…、人の道を逸脱しています」
老人「また言い訳になるが、わしはその話を聞いて連中を全力で止めたよ。だが奴らは聞かなかった、完全に金に目がくらんでおったよ、人の命が金に見えていたんだろうな」
僧侶「…」
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