勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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83:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 19:50:05.27 ID:09+TUdRc0


 高名な父の元に生まれ、ただその跡継ぎとしての人生を求められた

 『世界を救う』なんて大役を周囲から押し付けられて生きてきた

 そのせいで、色んなものを犠牲にした

 こんな小さなガキの頃に死にかけたこともある

 そんな風に頑張っているのに、誰も俺自身を褒めることなんて無かった

 流石、あの人の息子だ。流石、英雄の血を引くだけある

 果てはまだ足りないと、それでも英雄の息子かと罵倒されたこともある

 俺がどれだけ努力しているかも見ていない奴に

 俺の名前を呼んだことも無い奴に

 嫌気がさした

 だから/だけど

 自分の為に、他人を殺した/他人の為に、自分を殺した

 そうすることが人として正しいことだと信じていた
 そうすることが人として正しいことだと信じていた

 だから、これからもずっとそうやって生きていこうと思った
 だから、これからもずっとそうやって生きていこうと思った

 楽しかった/つまらなかった

 解放された人生だった/牢獄にいるような人生だった

 その代わり、俺は独りだった/その代わり、沢山の人が俺を認めてくれた

 それでいいと思った
 それでいいと思った

 だって、他にやりようなんてない
 だって、他にやりようなんてない

 そう思っていたのに/そう信じていたのに





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