勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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424:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:33:23.66 ID:ZSsiH8ra0
伝説の勇者「あ、あぁぁぁあああああ!!!!!! いやだ!! いやだ!! いやだぁぁぁああああぁぁぁあああ!!!!!!!」


 ただただ悲痛に叫び、ぼろぼろと涙を零すその姿に、もはや伝説に謳われるような威厳など欠片も無い。


伝説の勇者「あぁ、すまない…!! すまない××××……!! すまない……!!」


 『伝説の勇者』の口から勇者の知らない名前が飛び出した。
 もしかしたら試験都市フィルストにいた魔族の母の名前かもしれない。


伝説の勇者「ごめんな××××…ごめん、ごめんよ……!!」


 また勇者の知らない名前だった。
 もしかしたら、仲睦まじく手を繋いでいた魔族の娘の名前かもしれない。


伝説の勇者「すまなかった……○○○○……俺は、俺は……君を……」


 今度は勇者の知っている名前だった。
 それは勇者の母であり、彼の妻であった女性の名前だった。


伝説の勇者「勇者……はぁ……勇者……」


 遂に彼は勇者の名を呼んだ。
 勇者は剣を掲げたまま、思わず彼の言葉の先を待ってしまう。




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