勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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332:名無しNIPPER[saga]
2016/08/06(土) 16:36:24.13 ID:AsT68X2i0
ぎり、とその顔に焦りを浮かべて魔王は奥歯を噛みしめる。
魔王「大したものだ……宝術とやらに頼らなければ獣王にすら勝てぬ程度の実力と踏んでいたが……」
戦士「魔王よ。お前は確かに速い。確かに強い。お前は確かに、私達が戦ってきた魔物の中でも一番強いのだろう。まさしく、魔王という名が相応しい」
勇者「だけど魔王。俺達はお前よりもっと速い奴を知っている。俺達は、お前よりもっともっと強い奴を知っている」
魔王「……? お前達が戦った中で、私が最も強いのではないのか?」
勇者「『魔物』の中じゃな。こちとら、もっと化け物みてえな『人間』とやりあってんだよ!!」
勇者は一気に魔王との距離を詰め、剣を振り下ろす。
魔王は剣を受けることはせず、再び背後に飛び退って躱すことを選択した。
何か嫌な予感が頭を巡ったからだ。
しかし、その魔王の動きこそが勇者の狙い通りだった。
勇者「『呪文・大雷撃』!!!!」
魔王が着地したその瞬間を狙いすまして、虚空から生じた雷が轟音と共に魔王の体を打つ。
魔王「うが、ぐあああああああああああああ!!!!!!」
大雷撃のダメージに悶える魔王へ向かって、勇者と戦士が追撃を行う。
魔王は痛みに耐えて、二人を迎撃せんと迎え撃つ。
否―――――迎え撃とうとした。
だけどその体は痺れ、まったく言う事を聞いてくれなかった。
魔王「なぁ!? ぐ、か…!!」
勇者「その程度の実力じゃ、騎士【あいつ】にくらべたら雑魚みてえなもんだぜアンタ!!」
勇者と戦士の剣が煌めく。
交差するそれぞれの剣が、魔王の首と魔王の上半身を寸断した。
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