勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
↓ 1- 覧 板 20
222:名無しNIPPER[saga]
2016/05/08(日) 17:30:23.87 ID:niX7BoNT0
戦士「あ、ああ……」
その光景を見て、わなわなと震えていたのは、戦士だ。
見間違いではない。
見間違いであるはずがない。
だって、その男は、余りに自身の記憶にある姿のままだったから。
ずっとずっと、忘れることなく胸に思い描いていた姿のままだったから。
戦士「『伝説の勇者』、様……!」
戦士の前に居た勇者は、歩みを止めてしまっていた。
見えていないはずはない。
勇者もまた、同じ光景をその目に収めているはずだ。
戦士「う、あ…! あ、あぁ……!!」
胸がぎゅうぅ、と締め付けられる思いがした。
ぼろぼろと、勝手に涙が零れてくる。
ずっと前を向いたままの勇者の表情は、未だ見えない―――――――――
第三十一章 そして彼女は彼の言葉の意味を知る 完
758Res/394.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20