勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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18:名無しNIPPER[saga]
2016/01/31(日) 21:47:36.13 ID:zBP9Ql630


 『伝説の勇者』の息子がこの町に居ると聞いて、正直言ってかなりテンションは上がっていた。

 親父が目の敵にしていた『伝説の勇者』。

 自分の人生を歪めた遠因となった男の、息子。

 別に恨みつらみがあった訳じゃない。あったのはただただ単純な、興味。

 自身と同じように、いやそれ以上に、父親の名の重圧を受けて育ったであろう男。

 果たして、どんな人間なのか―――ちょっとばかり期待を持って、接触した。


 結論から言って――――まあがっかりした。


 成程話してみると似たような境遇で生きてきた者同士、気が合う部分は確かに有った。

 だけど勇者は弱すぎた。

 父親の重圧からただ逃げて、それでへらへらしているクソ雑魚野郎だった。

 それを知って、もう全く勇者への興味を失った。

 むしろ、父の名から逃げ出したくせに中途半端に『伝説の勇者の息子』としての立場を保ち続けていることに怒りすら覚えた。

 だからもうどうでもいいやと思って、近くにいた猫ちゃんに勇者の存在を教えてやった。

 いちいちこちらに突っかかってくる猫ちゃんへの嫌がらせとして、多少話を盛って。

 それで、勇者のことは頭から綺麗さっぱり忘れてしまった。




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