ほむら「幸せに満ち足りた、世界」2.5(まど☆マギ×禁書)
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213:幸福咲乱 ◆5sHeUtvTRc[saga]
2017/03/22(水) 03:52:33.04 ID:4JAsB1wn0

 ×     ×

その夜、ホオズキ市内の新聞販売店二階の部屋で、
天乃鈴音はスマホを操作していた。
床に腹ばいになり、イヤホンを差してネット動画を視聴する。

「………続きまして………ヴァイオリン、上条恭介………」

配信されているのはコンサート中継。
まだプロと言うには駆け出しだから宣伝優先の無料配信。
辛うじて時を共に出来る、と言う程度の動画配信。
直接見に行きたいのはやまやまでも、
販売店住まいの勤労少女には敷居が高い。

案内が終わり、旋律が、そして歌声が鈴音の心に染み渡る。
コンサートの主役は、新進の女性シンガーだった。
彼女はまだ十代、つい最近まで全くの個人活動と言って良かったが、
ネットでの好評の後押しもあって、路上からメジャーに一歩踏み出した。

今日のコンサートは、軽音楽からクラシック、和風まで、
そんな彼女と若干の段階を経て集められた各分野のジュニア世代が
コラボレーションすると言うやや色物的にも見えるコンサートだったが、
その企画に誘われた皆々には、色物臭を吹き飛ばすだけの真摯さと力があった。

普段は、自分でキーボードの弾き語りで歌っている曲だが、
今日はオルガン、そしてヴァイオリンの演奏と共に
しっとりと、そして伸び伸びと歌っている。

クラシック出身の演奏二人の正装に対して、
下品にならない程度のカジュアルさも
歌と共に彼女らしさ、と言えるものだった。

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今回はここまでです>>204-1000
続きは折を見て。


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