一夏「 こ れ は ひ ど い 」
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642:名無しNIPPER[saga]
2017/03/29(水) 21:59:01.76 ID:bpSYTJxU0
箒「一夏は突然泣き出す事があった。一夏自身は何故涙が出るのか分からないのに……ただ泣いて……千冬さんがそれを慰める。そんな事がよくあった……」

箒「全く笑わなくなった千冬さんや一夏の為に父さんや母さん、姉さんや私は二人が泣かなくていいように、家族として出来る精一杯の事をした」

箒「しばらくして二人は笑うようになった。千冬さんは父さんに剣を教わり、一夏は前の活発さを取り戻した。けど、突然泣き出すのだけはどうしようもなかった………」

箒「そして私と一夏が小学生三年生の時、織斑家の墓参りが終わった次の日、一夏がいなくなった」

箒「千冬さんが一夏までいなくなった、と泣き崩れ、父さんは真っ先に家を飛び出し町中を探し回った。母さんと姉さんは千冬さんを慰めながら私を連れて探し回った」

箒「一時間ぐらい探し回っても一夏が見つからなくて、父さんはあちこちに電話して親戚や近所の人、町の人や警察も集まって一夏を探した」

箒「千冬さんは言ってた。私のせいだ。私が一夏にお父さんとお母さんと百秋は“いなくなったんだ”って教えたから。だから一夏はお父さんとお母さんと百秋を探しに行ったんだ、って……泣きながら言ってた………」

箒「夜になって、五キロ程離れた山で一夏が見つかった。保護された一夏は泥だらけで小さな怪我がたくさんあった。けど、見つかった時から泣いていたりなんかは全くしていなかったらしい」

箒「誰よりも速く、一夏に駆け寄った千冬さんが一夏を殴った。その場所にいた誰もが驚いていたし、一夏が一番驚いていたと思う」

箒「お父さんとお母さんと百秋は死んだんだ。探してもどこにもいないんだ。だから二度と帰ってこないんだ。死んだんだ。なのにお前までいなくなるな」

箒「そう怒りながら大声で泣き出した千冬さんが一夏を抱き締めて、一夏も謝りながら泣き出した」

箒「ちょっとだけだけど、姉ちゃんの言うお父さんやお母さんや百秋がいるんだって思い出したから探しに行ったんだ。でも家に行ってもどれだけ探してもどこにもいなくて、姉ちゃんに喜んで欲しかったから、ごめんなさい、って泣きながら言ってた」


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