383: ◆bjtPFp8neU[saga]
2016/08/28(日) 19:11:41.60 ID:VRt3rZWL0
千早「……まあ、それはともかく」
千早「我那覇さんは、魔物との戦いにおいて自分に秀でているものがないから悩んでいるのね?」
響「うん……」
千早「そうね……。だったら、発想を変えてみてはどうかしら」
響「発想を変えるって?」
千早「あなたの得意分野ーーつまり、飛空艇で戦うの」
響「えっ、でも、ファル子は地球に置いてきたし、まど香も今は近くにいないし……」
響「……エン太郎は、ずっとずっと遠くに行っちゃったし……」
千早「遠くにいるのなら、地球にいた頃みたいに呼びかけるのよ」
響「いや、宇宙を越えられるのはまど香だけだぞ?」
響「それに、エン太郎はもう……」
千早「………」
千早「……私ね、今だから言うけれど、最初はあなたとエン太郎の仲を疑っていたのよ」
千早「飛空艇なんてどれも同じじゃないか、たかが乗り物と人間が心を交わす事なんて本当に出来るのか、って」
響「ちょ、ちょっと千早、いきなり何を言い出すんだ?」
千早「……でも、あなたたちの絆は決して偽物なんかではなかった」
千早「エン太郎を操縦している時の我那覇さんは本当に楽しそうだったし、一度カイポではぐれてしまった時だって、エン太郎はちゃんとあなたの元へ戻って来た」
千早「それに……私はその場にいたわけじゃないけれど、最後の最後までエン太郎は命がけであなたを守り抜いた」
千早「その話を聞いた時、私、心の奥底が震えるような気持ちになったの」
響「………」
千早「だから、エン太郎がもうこの世にはいないとしても、遠く離ればなれになってしまったとしても……」
千早「きっと、心の深いところで我那覇さんと繋がっているんじゃないかしら」
千早「姿は見えなくても、遠い空で見守っていてくれている……」
千早「そう思う……いえ、そう信じたいの」
響「千早……」
千早(……なんて、まるで私自身に言い聞かせているみたい)
千早(なんだか自分が滑稽ね)
響「!」
千早「……我那覇さん、どうしたの?」
響「……魔物だ!」
897Res/925.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20