488: ◆Tw7kfjMAJk[saga]
2016/11/30(水) 23:58:00.74 ID:Oz6oIwso0
「……明日、バースデーライブなんだよね」
ぽつり、とつぶやくように未央が言う。その突然の変化に驚くこともなく、プロデューサーは「そうだな」と返す。
「プロデューサーの、バースデープレゼント?」
「……バースデープレゼントが仕事でいいのか?」
プロデューサーは真面目な調子で言った。……こんなところは鈍いよね。未央は笑いながら、「もちろん、くれるなら他にもほしいけどね」と言う。
「でも……うん。私にとっては、最高のプレゼントだよ」
「そうか」
「うん」
それだけを言って、二人は黙った。
プロデューサーは仕事が終わったのだろうか? 自分の席に戻る様子も見せず、ただ、そこに立っている。
でも、だからと言って未央は「帰らないの?」なんて言ったりはしない。
そもそも、こんな時間まで未央が事務所に残っている理由は一つなのだ。
それは……そう言えば、今、何時だろう。
たぶん、そろそろ――
未央がそう思って時計を見ようとした、その時。
「未央」
その声に、未央はプロデューサーの方を見る。見ようとしていた側の、反対側。
時計の反対側。
そして、プロデューサーが時計の反対側にいるということは、プロデューサーから見て、私は――
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