57:名無しNIPPER[saga]
2015/12/23(水) 20:41:14.72 ID:Xae/YECko
「ちょっとわけがあってさ」
「まだ遠山さんと仲直りしてないの?」
「何でおまえがそれを」
「そういや妹さんもいないね」
「あいつは有希たちと一緒に登校するってさ」
「そうなんだ。あ、電車来たね」
「うん」
「これに乗るの?」
「ああ」
「じゃ、一緒に行っていい?」
「おまえいつもベンチで座って、この三、四本後の電車でぎりぎりの時間に教室に駆け込
んでくるじゃん」
「あたしのこと、見ててくれたんだ」
「まあ、毎朝のことだからね」
「見てたのはあたしの方だけじゃなかったのね」
何言ってるんだこいつ。
「おまえ、朝いつもスマホで何かやってるけど、それはいいの?」
「うん。別にリアルタイムである必要はないし、それに朝はレスを確認してるだけだし
ね」
「はい?」
二見が何を言ってるのかわからない。
「何でもないよ。一緒に行ってもいい?」
「・・・・・・別にいいけど」
「よかった。あ、電車来たよ」
「うん」
こいつ、俺に気があるのか。このとき俺は初めてそう考えた。
「少し早い電車だと結構空いてるね」
「本当だ。これからはこの電車で学校に行こうかな」
「妹さんとか遠山さんはどうするの?」
「別にどうもこうもねえよ。約束してるわけじゃねえし」
「じゃあさ。君が一人のときは一緒に学校に行ってもいい?」
本当に何なんだ。この積極性は。
「おまえさ」
「うん」
「前にも聞いたかもしれないけど、そこまで積極的に人と接することができるのに何でク
ラスのやつらとは話しねえの」
「何でって言われても。別に話すことが思い浮ばないし」
「俺とは話すことあるのかよ」
「わかんないけど、一緒にいたいとは思うから」
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