女神
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55:名無しNIPPER[saga]
2015/12/23(水) 20:40:08.20 ID:Xae/YECko

「でもね。お兄ちゃんとは仲直りできたけど、あたしはお兄ちゃんとお姉ちゃんがけんか
していることが辛いよ」

「それはどう考えても俺のせいじゃねえぞ」

「やっぱりお姉ちゃん、夕也さんよりお兄ちゃんのことが気になってるのかなあ」

「へ?」

 何言ってるんだこいつ。本気にしそうになるじゃねえか。

「前から気がついてはいたんだけどね」

「おまえ何言ってるんだよ」

「鈍いお兄ちゃんは気がついていなかったでしょうけど、お姉ちゃんってお兄ちゃんのこ
と時々じっと見つめてるしね」

「そんなわけあるか。だいたいそれなら何でおまえは今までそのことを黙ってたんだよ」

「敵に塩を送るわけないじゃん」

「・・・・・・おまえなあ。俺の恋愛を邪魔しないって言ったばっかだろ」

「邪魔はしないよ。聞かれればアドバイスもしてあげる。でも頼まれてもいないのに恋の
橋渡しなんてする必要ないでしょ」

「まあ、有希のことはおまえの勘違いだろうけどな」

「どうかなあ。あたしにも確信はないけどね。でも、わけわかんない二見さんなんて人に
お兄ちゃんを取られちゃうくらいなら、いっそお姉さんに取られた方が」

「よくも知りもしないくせに二見の悪口を言うなよな」

「え」

「あ。いや」

「冗談だよ。ごめん、お兄ちゃん」

「いや、もういいよ」

 何で俺は、二見の悪口聞いてエキサイトしてしまったんだろう。

「ねえ」

「何だよ」

「本当に二見さんのことは何とも思ってないの?」

 俺は沈黙してしまった。


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